ここでは、飲めない筆者がなぜ飲めないのか?頑張って飲んでも強くなれないこの不条理は、何が原因なのかを調査しました。全く飲めない皆さんは、なぜ私だけとか思いつつ、飲み会の空気を楽しめればそれでいいと自分に言い聞かせて参加している方もいるのではないでしょうか?
圧倒的少数の飲めない派は、理解されず飲まない人だと勘違いされがちです。飲めない人も飲める人も、飲めない人はなぜ飲めないのかを知っていただければ幸いです。
アルコール分解の仕組み
アルコールは、胃にあるうちはゆっくりと吸収され、小腸に入ると速やかに吸収されます。飲酒後の血中アルコール濃度は、食事の有無やアルコール飲料の種類と飲み方、体格や肝臓の大きさなどによって異なります。アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われ、その人の持つ酵素の遺伝子型や飲酒習慣が深く関わっています。
飲める人と飲めない人の違い
アルコールを分解するためには、肝臓でのアルコールの代謝が必要です。この代謝には、アルコール脱水素酵素(ADH)やアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)などの酵素が関与しています。アルコールが飲める人と飲めない人の違いは、ALDHの活性によって決まります。ALDHの活性が高い人は、アセトアルデヒドを速やかに分解できるため、お酒を飲んでも気持ち悪くならず、お酒を飲むことができます。一方、ALDHの活性が低い人は、アセトアルデヒドが体に残ってしまい、頭痛など気分が悪くなるため、お酒を飲むのが苦手になります。
アセトアルデヒドの人体への影響
アセトアルデヒドは、アルコールを飲むと体内で生成される物質で、毒性が高く、頭痛や悪心などの二日酔い・悪酔い状態の原因になります。アセトアルデヒドは分解が遅い体質の人は、少量の飲酒でも顔が赤くなったり、吐き気がしたりするフラッシング反応を起こします。また、アセトアルデヒドは DNA や たんぱく質 と結合しやすく、発癌性があり特に、食道癌の原因になる可能性が高いとされています。
飲める人と飲めない人の割合
日本人の人口の6~7パーセントくらいの割合が下戸だそうです。全国47都道府県における下戸の分布を見ると、日本全体の65%が酒豪、35%がそこそこ飲める、そして残り5%が下戸となっています。中国地方、近畿・関西は下戸が比較的多い地域です。下戸遺伝子が存在する率は日本人に40%、北部中国人に40%、韓国人に28%、フィリピン人に13%、インド人に5%と言われています。
日本人がアルコールに弱いのは、遺伝的にお酒を分解する酵素の働きが弱いためです。 お酒のアルコールは、肝臓で ”アルコール脱水素酵素(ADH)” と ”アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)” によって分解されて無害化されます。 この2種類の酵素のうち、アセトアルデヒド脱水素酵素には、血中のアセトアルデヒド濃度が高いときに働く「ALDH1」と、主にアセトアルデヒド濃度が低いときに働く「ALDH2」があります。 この「ALDH2」の働きが、もともと弱いか、全く持っていない人がいるのです。 その割合は、統計によって数字は上下しますが、おおよそ半数。 つまり、モンゴロイドは半数の人が、お酒に弱いか、まったく飲めない体質なのです。 一方、黒人や白人では、「ALDH2」の働きが弱い、あるいは持っていない人の割合は0%。 全員がお酒に強いんです。 この遺伝的な体質の違いによって、日本人はアルコールに弱い体質とされています。
飲めない人あるある
飲めない私は、飲み会の席で飲んでいないことを指摘されることがよくあります。 そもそも、酔う酔わないには個人差があり、相当飲んでも全く変わらない人、一定量から突如人格が変わる人、すぐ寝る人などそれぞれです。 また、テンションのピーク到達時間、持続時間も人それぞれで、人数が増えれば増えるほど場は荒れる傾向にあります。 そんな中これまでに幾度となく言われたいくつかの例を紹介したいと思います。
例:『一人だけしらふでつまらない』『しらふで楽しいの?』
そもそも、飲める人はアルコール摂取量が増えれば増えるほど、テンションが上がっていきます。なので、時間が経てば経つほど飲めない人とのテンションの差が広がっていきます。 そうすると、『一人だけしらふでつまらない』の発言が出てくるのです。 これを言う人は、すでに相当酔っている人が多く、飲めない理由を話したところで理解されないので軽く笑っておけばよいでしょう。
例:『なんで飲まないの?』『飲んでるうちに強くなるよ』
この発言は、本当によくあります…。 これは、飲めない人の仕組みを知らない人がよく言ってくるのですが、この手の人は【飲めない】⇒【飲まない】が通用しません。 なぜなら【飲まない】⇒【飲めない】が前提にあるようで、『飲まないから強くならないんだ』とか『飲んでるうちに強くなるよ』なんて言われます。 確かに、飲んでるうちに強くなる人は多いようでよく耳にします。もともと飲める素質のあった人はいいと思いますが、飲めない人が勘違いして飲みすぎた場合の体への負担は相当なものになるでしょう。
飲み会での対策
忘年会や新年会など、欠席が困難な場合に、本来であれば無理して飲む必要はありませんが、飲まなければいけない場面や飲んだほうがいい場面に直面する前に準備はしておきたいものです。
体にできる限り負担をかけない為に、対策グッズとして以下にまとめてみました。
【注意】
この対策をしたから、大量に飲めるようになるわけではありません!症状が軽減される程度です。飲む量を間違えるといつものように、頭痛と吐き気が襲ってきます。
出かける前に飲むタイプです。頭痛や吐き気がかなり抑えられます。
個人の感覚としては脳の膨張感はあるのですが、痛みを遮断している感じでした。
出かける前に飲むタイプです。最初は頭痛や吐き気の症状が出ません。
薬の許容範囲を超えると、徐々に症状が出てきます。最初に少し飲むだけであればおすすめです。
自分がどの程度お酒に強いのかを認識するためのアルコールパッチテストです。
シールをはがした後の皮膚の色で判別。
アルコールに弱いことを知っておけば、無理して飲んでも陽気になれない事を受け入れやすくなると思います。
飲めない私でも多少は飲めるアルコール
飲めない私でも多少は飲めるアルコールがあります。
それは梅酒です!正直なところ原理はよくわかりませんが、頭痛や吐き気があまり来ません。しかしながら、これも大量に飲めるわけではありません、もちろん個人差もあるかと思います。
梅酒の濃度にもよりますし、焼酎を混ぜてくる店もあります。特に飲み放題は要注意で、後半に行くほどアルコール濃度を濃くするお店もあります。
また、調子に乗って飲みすぎると足にくるので、千鳥足や歩けなくなってしまう事も予想されます。事前に合う合わないを確認するために自宅で飲んでみるのも良いかも知れません。
ネット販売だと本数が多くなってしまうので周りに飲む人がいないようであればスーパーで一本買うのがおすすめです。
まとめ
飲めない私は、飲めることがうらやましいと感じる事が多々あります。記憶がなくなるまで飲んでみたい、ストレス発散や自分開放に飲んでみたい、次の日に全く覚えていないと言ってみたい。周りが普通にやっていることがなぜできなかったのか?これまでの内容を以下にまとめます。
・アルコールが飲める人と飲めない人の違いは、アルデヒド脱水素酵素ALDHの活性によって決まる。
・アルデヒド脱水素酵素ALDHの活性とあるなしは遺伝子で決定されている。
・分解できないアセトアルデヒドは、有害で発がんの可能性がある。
・飲まなければいけない場合はできる限りの事前準備とアルコール摂取を回避する。
すなわち飲めない人にとって、【アルコール=アセトアルデヒド=有害】が成り立ってしまうのです。飲める事に努力するのではなく、飲まない事に努力するほうが良いようです。
良い方向で考えると、アルコールに依存するリスクがないという事です。
最近では、飲めない人の理解も増えてきました。
自信をよく理解し適切な量を自分のペースで、その場を楽しむのが一番だと考えます。